お客様の声

51_ext_01_0.png

海外進出を視野に、『アリババ』をマーケティングツールとして活用

東京ベルト株式会社

伝動用・搬送用の各種ベルト、ホース、 樹脂、伝動機器などの工業用品

国内市場が成熟する中での工業用部品商社の取り組み

 「安い賃金や巨大な市場を求めて、海外に拠点を移す製造業が増えています。当社のみならず、同業も含め、事業の方向性が問われています」と話すのは、東京ベルトの前田淳社長だ。
 同社は、社名に示される伝動用・搬送用の各種ベルトのほか、ホース、樹脂、伝動機器などの工業部品取り扱いで60年の歴史がある商社だ。1988年には高分子樹脂切削加工工場を開設し、加工メーカー機能も併せ持つ。
 同社の主要顧客は、FA(ファクトリーオートメーション)機器、工業用機械・部品の小売店などである。電機メーカーなど、ユーザーとの直接取引もある。長年の信頼関係はあるものの、エンドユーザーや顧客自身が海外に出てしまうと、ビジネスはなくなってしまう。
「お客様の海外進出に付いていくという選択肢もあったのですが、さまざまな要因があり、これまでは実行できていませんでした」と前田氏は振り返る。
 国内の工業部品市場は成熟傾向にある。これから右肩上がりで急成長していくことは考えにくい。
「海外市場との接点を持たないと、当社の存続も危うい。だからと言って、やみくもに支店を出すのはリスクもあります。何からやろうかと考えているときに出会ったのが『アリババワールドパスポート』でした」
 そう語る前田社長が、『アリババ』を選んだ理由は、大きなコストをかけずに海外に向かって自社が取り扱う製品やサービスを訴求できる点だったという。「ダメなら撤退するのも容易です」(前田氏)。

「商社」としての自社の強みや特色を強く訴求

 前田氏によれば、日本のメーカーの代理店が、日本にいながら海外の販路拡大を目指すのはハンディもあるという。
 たとえば製品の価格である。日本から部品を送る場合、さまざまなコストが加わりがちだ。仕入れ先である部品メーカーによっては、すでに海外に販売代理店を持っていることもある。
「同じメーカーの製品の場合、海外代理店への卸値のほうが安いことが多いのです。当社としては、価格以外の優位性を発揮しなければなりません」と前田氏は説明する。

 そのために同社が力を入れているのが、「商社」としての強みや特色を強く打ち出すことだ。複数の仕入れ先メーカーと密接な関係を持ちながら情報を収集し、顧客に最適な製品を提案する、いわば「お困りごと解決」の力である。
 同社では『アリババ』内の自社サイトにおいて、この概念を「What is TOKYO BELT ?」として図式化し説明している。さらに、このコンセプトのもと、各製品の紹介ページについても、写真や図表を数多く活用しながら、機能や特徴を詳しく解説している。
 その効果はすぐに現れた。同社は2012年1月に『アリババ』の利用を始めたが、その直後から、インド、パキスタン、スペイン、フィリピンなどのバイヤーから問い合わせが入ったのである。同年5月には、イランの企業からベルトの成約も得た。このほか、サンプル出荷の案件もいくつか動いている。

 実は、この間の同社サイトの閲覧数は1500ビュー程度と、決して多いとは言えない。それにもかかわらず成約にまで結びついている理由を前田氏に尋ねると、「日本のお客様にしていることを、同じようにしているだけ」と答える。
 問い合わせにスピーディーに回答することはもちろんだが、見積もりを尋ねてきただけのメールであっても、カタログや製品スペックの説明を添付して分かりやすく説明している。丁寧な対応が喜ばれるのは、海外でも同様である。

海外での支店設置やパートナー開拓も目指す

51_ext_05_2.jpg

 同社では現在、『アリババ』の更新や問い合わせメールへの返信などを、前田氏一人で行っている。同氏自身が実用英語技能検定・準1級の資格を持ち、英語が得意なこともあるが、「まずはお客様からどんな要望があるか、自分の肌で感じたい。また、貿易など実務の流れも経験しておきたい」という考えがあるからだ。
 同社が取り扱う製品は幅広く、用途もまちまちだ。IT機器の部品もあれば、公共工事に使われる製品もある。海外のマーケットでは、どこの国でどのような製品のニーズがあるのか、事前に予測することは難しい。そこで前田氏が工夫しているのが、『アリババ』をマーケティングツールとして活用する方法だ。

 具体的には、同社が取り扱う製品のうち、ジャンルごとに時期をずらして掲載し、それに対する反応を分析する。たとえば、まずはベルトを掲載し、次はホース、その次はカップリング(軸継手)といった具合だ。たとえば、ある国では、農業用機械の修理のために、日本製のVベルトが人気だということが分かった。また、ある国では品質の高い下水道のホースのニーズが高いという。
「さまざまなニーズを探るとともに、戦略的に海外販路拡大に取り組んでいきたい。近い将来には、当社の支店の設置や海外のパートナーの開拓なども計画しています」と、前田氏は意気込みを語る。
 顧客の視点に立ち、顧客と一緒になってビジネスを作りあげるソリューション提案型の活動をするのは日本の商社の特色でもある。同社はその強みを発揮し、可能性のある市場でチャンスをつかもうとしている


東京ベルト株式会社代表取締役社長
前田 淳 氏

ワールドパスポートURL : http://tokyobelt.trustpass.alibaba.com/

(2012/08/15掲載)