スペシャルコラム

商談の現場から

今、世界中から注目を集める抹茶―人気の理由と輸出の課題とは?

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最近、日本茶を海外に輸出したいという会社様が増えてきています。
弊社のサービス「アリババ ワールドパスポート」のご利用企業様からも、海外バイヤーから引き合いを受け、日本茶を実際に輸出されている方が多くいらっしゃいます。

今回のコラムでは、なぜ日本茶の海外ニーズが高まっているのか、その背景と輸出における課題について説明させていただきます。

農林水産省発表資料によると、現在の日本茶全体の輸出量は年間約3,000トン、金額ベースで66億円(2013年)と前年比で30%伸長しています。また、いわゆるアベノミクスの一環で’攻めの農林水産業’の重要品目のひとつに指定され、2020年には150億円の輸出目標を掲げられています。

なぜ、海外市場で日本茶が受け入れられているのでしょうか?
JETROが実施したアンケートによると、日本茶が好きな理由の第1位は「健康に良い」という声で全体の60%以上を占めています。世界的な日本食ブームと相まって日本茶の健康的なイメージが強いようです。

日本茶の中でも、海外からの引き合いが非常に多いのが抹茶です。
では、なぜ純日本的な抹茶に興味を持つのでしょうか?

抹茶人気の火付け役となったのが、スターバックスの抹茶ティーラテと言われています。
数年前に同社が日本から販売を始めた抹茶ティーラテを、アメリカおよび欧州市場でも展開したところ大ヒット。さらに、海外の有名なファッションモデルやセレブがお気に入りの飲み物として紹介したことでブームが加速し、抹茶味の商品が世界中に浸透していきました。今では英語で抹茶=Matchaで通じるレベルとなっています。アメリカやオーストラリアでは「Matcha Bar」なるものまで誕生しているそうです。

当初は価格の問題から、安価な製法で作られた中国製抹茶が世界で圧倒的なシェアを占めていました。しかし最近では、生産コストの上昇により中国製との価格差が小さくなったため、伝統的な製法で作られた日本製抹茶の輸出が拡大の方向に向かっています。海外でのブームが定着するにつれて、本物志向が高まり、日本製を買い求める人が増えていったのも一因でしょう。

抹茶をはじめとする日本茶の海外輸出における今後の課題は、オーガニック需要への対応です。
有機茶の輸出量は、日本茶の総輸出量の約7%とまだまだ少ない一方で、アメリカ、欧州市場での有機食品に対する需要は大きく、栽培量拡大、有機承認等への対応は2020年の輸出目標に向けての大きな課題となるでしょう。

日本茶に限らず、食品の輸出において、オーガニック需要への対応は今後大きな関心を集める分野となりそうです。

今回のポイント

健康志向の高まりで抹茶が世界中で人気。今後はオーガニック需要への対応がキーに。

執筆者紹介

アリババ株式会社 国際事業部 シニア・コンサルタント
的場道文
日系の某大手メーカーにて30年以上海外事業に携わり、アセアン諸国を中心に、約20ヶ国以上の海外子会社で販売網構築、販売促進および合弁会社の設立、運営の経験を持つ。現在はアリババ株式会社でシニア・コンサルタントとして、貿易基礎セミナー・商談セミナー等の講師を務めている。

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本コラムは執筆者個人の意見であり、海外市場開拓に関する一般的な情報の提供を目的として掲載しています。また、本コラムは当社およびグループ企業の公式発表や見解を表すものではありません。予めご承知の上ご利用下さい。