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海外の販売代理店の育て方

海外の販売代理店と、やっと契約できたにも関わらず、その後どうやって関わっていくべきかわからなく、相手のセールスの様子を伺ってじっと待ってはいませんか?

 販売代理店と契約してからの1年間は、販売代理店にモチベーションがあるため、彼らを教育することで、成功体験を積んでもらいやすい時期です。最初に良好な関係を築き、商品を多く売ってもらえるような立派な販売代理店になってもらいましょう。

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販売代理店と良好な関係を築くための方法を3つご紹介したいと思います。

一つ目は、販売代理店に任命書をあげることです。これは販売代理店のモチベーションと彼らの顧客からの信頼を高めます。例えば、あなたが販売代理店で、販売契約を結んだメーカーから、「あなたの会社は我々の公式ディストリビューターに任命されたことを記す。」といった任命書が来たらどうされますか?販売契約を結べたことに自信を持ち、オフィスの目立つところに飾りたくなりませんか?

海外の販売代理店も同じように、任命書が立派であればあるほど、自慢できる場所に任命書を置きます。また、これを見た顧客も正式な販売代理店だと認識し、彼らへの信頼を高めます。任命書を送ることで、販売代理店に誇りを持たせると同時に、顧客からの信頼をガッチリ掴むことができます。一石二鳥なので、ぜひやってみてください。

 二つ目は、販売代理店が商品を売りやすくするための資料を作ることです。貴社では、売れる営業マンが持っているノウハウを明文化したことがありますか? 製品売込みに使えるセールストークや業界の裏話などです。

もし、明文化したものがなければ、ぜひ良い機会と思って作ってみてください。また、明文化したものがあれば、資料として販売代理店に送ってあげましょう。その他にも、顧客候補に見せることのできるDVDや採用してくれた有名企業などの情報をあげるのも良いでしょう。これらの情報を渡すことで、彼らは、もらった情報を咀嚼しながら、現地の市場とマッチさせた彼ら自身にしかできない営業を行うことができます。

さらに物理的なものとして、顧客に対して、サンプルを見せられるような販促キットが販売代理店にあるとどうでしょう?きっと彼らは実演しながら、説明することができ、顧客も実物を確かめながら商品の受注を考えることができます。販売代理店の商品知識と営業スキルが上がるような資料やサンプルキットを送りましょう。
 三つ目は、現地の販売代理店と一緒に有望顧客を訪問することです。これはジョイントコールと呼ばれます。

訪問することで、販売代理店が理解していなかった部分を教えられると同時に、有望顧客から受注をもらいえる可能性が上がります。よくあるケースとして、現地の販売代理店が、有望顧客を見つけたけれども、なかなか受注に至らないことがあります。そういった際に「来月、中国に行くので一緒に有望顧客を回りましょう。」と販売代理店に提案しましょう。彼らとしても有望顧客にアポをとるよい口実になります。

実際に、三社で商談するとどのようなメリットがあるのでしょか?三社で商談を行うことで、有望顧客は欲しかった製品の話を直接メーカーから聞き、確かな情報を持ちながら、受注の有無を判断できます。また、販売代理店は、メーカーと有望顧客の商談の中で、有望顧客が求めていたニーズや製品のわからなかった部分に関する部分に気づくことができます。結果として、その経験が最終的には販売代理店のノウハウとなり、次のセースルに生かしてくれます。

 これらの3つの方法を実践することで、メーカーと販売代理店が良好な関係を築くことができます。販売代理店契約が結べたからといってセールスは丸投げで任せっぱなしという態度ではなく、彼らを教育し一緒に成長していくという姿勢を見せましょう。それが他の地域、しいては世界中への販売パートナー網の構築につながっていくのです。

執筆者紹介

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株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン (www.ppmj.com)
代表取締役 大澤 裕

慶応義塾大学経済学部卒。米系銀行の企業金融部で日本企業の海外進出支援業務従事。カーネギー・メロン大学経営学修士課程において特許製品の販路開拓方法を学ぶ。2000年シアトルにおいてピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。日本企業の海外販路開拓を支援する。経験は産業材(包装機器・産業用ポンプ・PDP・位置センサー・流量計・溶接機器)、消費材(ギフト製品・キッチン用品)等多岐にわたる。特に海外の代理店網構築の専門家として経済産業省研修所での講演をはじめ、各地の公共団体での役職も兼務。

「中小企業が『海外に製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」(ダイヤモンド社、1,600円)を刊行しました。詳しくは以下をご覧ください。
リンク先 http://www.ppmj.com/service/service07/

お問合せ先:電話:03-5530-8135  Email:info@ppmj.com

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