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海外の販売代理店候補との交渉いろいろ

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大阪のセンサー製造会社の技術担当 K 氏と米国のセールスレップを訪問した時のこと。自慢のセンサーを見せる K 氏に4人のアメリカ人からいろいろな技術的な質問が投げかけられます。しかし、この K 氏、答える前に独特の間があります。「こんなことは可能か?」といった質問を受けると、無表情でしばらく黙ったままです。「どうしたのかな?」と、まわりが不安になりはじめた頃に「ノー。インポッシブルやね。」と軽く大阪弁の混じった返答が出ます。
                                         
初めは不気味(?)なものを感じていたアメリカ人も、最後はすっかり K 氏のファンになったよう。しばらく彼が黙っていると、全員が身を乗り出して彼の「ノー。インポッシブルやね。」という言葉を待ちます。 ”Yes, we can.” といった答えが出ると、皆破顔一笑です。彼らが、その製品を高く評価していることがベースなのですが、K 氏が技術的にできること、できないことを、その場でしっかりと答えたことが、このミーティングをとても良いものにしました。

次は、名古屋の工作機械メーカー社長 H 氏と海外のメーカー・ディストリビューターを回った時の事。 (注:メーカー・ディストリビューターとは、メーカーでありながら、他の会社の製品の販売もする会社です。)H 社長は元海上自衛隊の潜水艦艦長という、つわものです。訪問した会社の社長と話をすればする程、彼らの製造している工作機械が H 氏の主力製品と類似していることがわかりました。一瞬不穏な空気が流れます。しかし H 氏が正直に「我々はどちらかというとコンペティター(競合相手)ですね」と言うと相手方の社長も「そのようですね」と笑い返しました。 

それでかえって緊張が解けて和やかな雰囲気が流れました。で、互いに競合相手ということは理解しつつ、協力できることはないかと模索するよいミーティングになったのです。勝海舟の氷川清話に、「敵中に真の味方を得る」といった話がありました。肝胆相照らせば、敵の中にも味方を得られるという話です。それを思い出すこれも良いミーティングでした。

執筆者紹介

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株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン (www.ppmj.com)
代表取締役 大澤 裕

慶応義塾大学経済学部卒。米系銀行の企業金融部で日本企業の海外進出支援業務従事。カーネギー・メロン大学経営学修士課程において特許製品の販路開拓方法を学ぶ。2000年シアトルにおいてピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。日本企業の海外販路開拓を支援する。経験は産業材(包装機器・産業用ポンプ・PDP・位置センサー・流量計・溶接機器)、消費材(ギフト製品・キッチン用品)等多岐にわたる。特に海外の代理店網構築の専門家として経済産業省研修所での講演をはじめ、各地の公共団体での役職も兼務。

「中小企業が『海外に製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」(ダイヤモンド社、1,600円)を刊行しました。詳しくは以下をご覧ください。
リンク先 http://www.ppmj.com/service/service07/

お問合せ先:電話:03-5530-8135  Email:info@ppmj.com

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本コラムは執筆者個人の意見であり、海外市場開拓に関する一般的な情報の提供を目的として掲載しています。また、本コラムは当社およびグループ企業の公式発表や見解を表すものではありません。予めご承知の上ご利用下さい。